生物学と医学におけるMEMS評価事例
MEMSとマイクロストラクチャは、医学的、生物学的分野でも応用されている根幹の重要な技術です。疾患診断の高速化を実現する「ラボオンチップ」から補聴器用のMEMSマイクロホン、医用イメージング用の超音波トランスデューサまでその応用範囲は非常に幅広いです。
ポリテックの非接触かつ顕微鏡ベースの光学測定技術を利用して、医療用MEMSセンサやアクチュエータの表面形状および動的特性を測定することができます。さらに、例えば、昆虫の聴力など、自然界のさまざまなメカニズムを機械設計に応用したバイオメカニクスの分野においても、使用されています。
医用画像、ソノグラフィー、血管内超音波のアプリケーション
圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)は、IVUS(血管内超音波)や心エコー検査などのアプリケーションでリアルタイム3D医療画像(超音波検査)技術の向上に貢献しています。これらのトランスデューサ素子の機能性評価には、高周波数(〜10MHz)および高空間分解能(<1μm)の測定が要求されます。ポリテックの顕微鏡型レーザドップラ振動計マイクロシステムアナライザMSAシリーズは非接触かつ高い精度でこの要求を満たすことができるため、pMUT開発においても有用です。
フォノニック結晶構造を有する表面弾性波デバイスの開発
フォノニック結晶構造を有する弾性表面波デバイスは、音の持つ機械的エネルギーを利用して、患者から採取した液体サンプルを低コストのマイクロチップ上で操作することで、統合的なポイントオブケア診断を可能にする大きな可能性を秘めています。研究者らは、音響フィルタを用いて、指先で採取した血液からマラリアを検出することを実証しています [Reboud J. et al., PNAS, 2012, 15162-7]。レーザドップラ振動計は、マイクロチップ全体の表面上の真の振動を可視化することができる開発プロセスに不可欠なツールであり、彼らのプロダクトの最適な設計を検証するものとなりました。将来的には、より複雑なアッセイをこのプラットフォームに統合し、結核などの病気を検出する予定とのことです。